コロナ禍、ロックダウンに揺れるアメリカVAPE業界。PMTA申請期限の延期を決定。

特集

世界中が新型コロナウイルスのパンデミックにより甚大な影響を被っています。あまりの被害の大きさにコロナに関する記事を書く事をしばらく躊躇っていたのですが、将来の為に備忘録を兼ねて特にアメリカVAPE業界の現状の一端を記しておく事にしました。

新型コロナウイルスの現在のアメリカの感染者数は4月23日時点で83万4858人と世界ワースト、死亡者数も4万5894人とこれも世界ワーストの状況です。このような状況の中、電子タバコ大手ジュール・ラブズへの128億ドル(約1兆4000億円)の大型出資を主導したアルトリアのCEOハワード・ウィラード会長兼最高経営責任者(CEO)も新型コロナウイルスに感染。FDAに対してアルトリアはPMTAの手続きに支障をきたすとして申請期限の延期を申し立てていました。FDAもこれを受けて3月30日に延期を求めるよう裁判所に許可を求めていました。

FDAの延期申し立ての事由にアメリカの惨状が見て取れます。

引用)VAPING360

  • 研究機関が閉鎖されている。
  • 人体への影響を測定する実験が中断。
  • 製造業者への視察が不可能。
  • 物流が停滞し品物が届かない。
  • 一部のFDA職員が米国公衆衛生局に応援に回っている。

裁判所は5月12日であったPMTA申請期限を2020年9月9日まで延長する事に反対しなかった模様です。これによって、製造業者は2016年11月8日より前に市場に出ていた製品をさらに4ヶ月間販売できるようになりました。2020年9月9日以降FDAによるPMTA審査を受けたことがない製品は、あらためて市場から削除されることになります。

なお、先述のハワード・ウィラード会長兼最高経営責任者(CEO、56)は4月14日付で退任。後任CEOにはビリー・ギフォード副会長兼最高財務責任者(CFO、49)が着任、会長職はCEOと切り離し、独立取締役のトーマス・ファレル氏(65)が16日付で着任したとのことです。

ロックダウンで業界は壊滅的状態

PMTAの申請期限が延期になったことは業界にとっては喜ばしいことですが、そんなことが霞んでしまうくらいに、新型コロナウイルスを封じ込める為の封鎖措置(ロックダウン)によってVAPE業界は世界的に壊滅的な打撃を受けています。

イタリアでは電子タバコは生活必需品として実店舗がいまだに開いているケースがあるようですが、ほとんどの国ではVAPE・電子タバコを試飲できる実店舗は閉鎖または営業自粛に追い込まれています。ロックダウンは実店舗だけでなく、製造業者にも大きな影響を与え、出荷業務さえもままならない状況になっています。加えてアメリカでは、VAPEがコロナウイルスの感染を助長するとした根拠の無い風評被害も広がっているようです。

VAPEショップを支援する為の専門のファイナンスサービスに乗り出す業者や、殺菌用ハンドジェルやマスクなどの販売を開始するVAPE関連業者も現れたりしています。

アメリカVAPE業界はこの半年間、ビタミンEアセテートによるEVALI風評被害、PMTA申請といった難題を乗り越えるべく苦難の道のりを歩んできました。PMTAに関しては全ての製造業者が残ることはあり得ないとしても、工夫を凝らして乗り越える術を確立できている製造業者がいくつかあると見られていました。しかしそこに今回の新型コロナウイルスのパンデミックです。今回のは全世界共通の災禍だとしても、アメリカのVAPE業界にとってはまさに三重苦の状況です。

9月9日までPMTA申請期限が延長されたとしても、このロックダウンの状況下であと4ヶ月あまりも持ちこたえられる企業はほんの一握りでしょう。大手の製造業者やコンビニなどは残ったとしても、VAPEショップや中小の製造業者の多くが政府の保護無しに残れる保証はありません。

NO VAPE, NO LIFE

そのように大変な困難な状況の中でも、アメリカのVAPE関係者は前を向いています。彼らの多くはVAPEが伝統的タバコの健康被害を低減させるものだとの強い信念を持っています。このような災禍の中でも実店舗を閉鎖させることに強く反対、イタリアのように必需品として再開させるべきだとの主張を強めています。

また、11月の大統領選を見据えてPMTAのガイドライン変更を強く求める構えを業界は見せています。EVALIの風評被害以来、VAPEショップの強制的な閉店措置をとった州や都市などの自治体の多くは、VAPERから強い抗議活動を受けました。11月の大統領選は現職の共和党トランプ大統領と民主党のバイデン候補の争いです。9月9日のPMTA申請期限は大統領選の間近という事もあり、VAPE業界は再びVAPERの「NO VAPE, NO LIFE」草の根活動でPMTA改正を働きかけると見られています。

いまのところ、選挙の争点はおそらく新型コロナウイルスへの対応がほとんどになると思われますが、トランプ大統領が以前のようにVAPEに対して協力的な姿勢で臨むのかどうかは注目です。

まずは目の前の災禍を乗り切り、新しい未来へ繋げるべく団結して頑張ってほしいと願っています。

アメリカだけでなく各国も、そして日本も。まずは「STAY SAFE!」お気をつけて!

 

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